個人の住宅におけるソファーは、企業の応接室の場合とは違って、もっぱら寝そべるための設備、つまり一種のデイベッドと考えたほうが良さそうだ。そうなると、居間のソファーで大切なのは座り心地よりも寝心地になる。気持良く寝そべるためには、サイズ、とくに奥行がたっぷりしていたほうがよいし、またクッションはフカフカ柔らかいより、やや固めのほうが良い。ぼくの家にも、ほぼこの目的に合ったソファーがある。これは結婚直後に、しばらく住んでいた両親の家の一郭の狭い住居ユニットにあわせてぼくが設計し、大工仕事で簡素かつ安価につくらせたものだ。
(参考サイトのご紹介)
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だからほんの間に合わせのつもりだったが、古ぼけてきても寝心地が良いのでなかなか捨てられず、もう12年余も使いつづけていて、わが家の居間の焦点になっている。このソファーは、寝そべるとテレビがちょうど良い角度で眺められる位置に据えられていて、晩酌のほろ酔い気分で寝っころかって、子供と付き合いつつアホな番組を漫然と見るのに実に具合が良く、時にはそのままご機嫌で仮眠してしまう。もっとも、この席にぼくの占有権が確立しているわけではないので、競争は激烈であり、コマーシャルの間にトイレに立つと、その隙に子供や妻にソファーを奪われてしまう。ぼくたち夫婦は愛情の表現としてソファーの上でもつれあうことなどないが、席の争奪のためには時々そういうこともないではない。